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コラム9月号『御蔵島猫を飼うことは・・』

当院では、一般診療の他に、島ネコの里親プロジェクトにも携わっています。
自然豊かな島では、希少野生動物も多く暮らしています。

 

そのような環境で人によって持ち込まれたネコは野外で自由に暮らすノネコとなり、
野生動物へ深刻な被害を与えるようになりました。
そのため、ノネコの捕獲が始まりました。
本来ならば殺処分されてしまう外来生物ですが、
野生動物もネコも救える方法がないだろうかと立ち上がった方々がいます。
本来、猫は人と一緒に暮らす伴侶動物ですが、
長らく自然界で暮らしていたノネコは小さな猛獣と化していて、
一般家庭で飼えるような姿ではありませんでした。

 

犬や猫のプロである獣医師や動物看護師の手により、一般家庭で飼えるよう訓練され、
本来のペットである猫の姿に変わっていきました。
そうして、一般家庭に譲渡されます。
つまり「島ネコを飼う」ということは、野生動物もネコも豊かな自然環境も救っていると言えるでしょう。
去年までは東京都の小笠原諸島に暮らしていたノネコの順化に取り組んでいました。

 

今年からは、同じ東京都のイルカウォッチングや、オオミズナギドリの繁殖地として有名な「御蔵島」に
暮らしていたノネコの順化に取り組んでいます。
御蔵島ではノネコによる影響もあり、オオミズナギドリの生息数が減少しています。
そこで、ノネコらは捕獲され島外搬出されることになりました。

 

彼らは当院や協力病院により一般の飼い主様と暮らせるよう訓練(馴化)され、引き渡されます。
当院へは計14頭の御蔵島ネコたちがやってきました。
皆様方の協力により、現在では残すところ、あと2頭が新たな飼い主様を待ち望んでいます。
ご興味のある方がおりましたら、新宿動物病院までお問い合わせ下さい。                 (眞)

 

2016.09.01