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コラム5月号『犬のレプトスピラ症について』

こんにちは、獣医師の石川です。

今回は、犬のレプトスピラ症についてお話しします。

 

犬のレプトスピラ症は、感染症であり、レプトスピラという細菌によって引き起こされます。

この病気は、肝臓と腎臓での細菌の増殖が顕著で、急性または慢性の肝炎や腎炎を引き起こすことがあります。

感染が疑われない場合、診断が難しいこともありますが、適切な治療を受ければ回復することが出来ます。

 

ただし、レプトスピラ症は人にも感染する共通の感染であるため、飼い主も注意が必要です。

感染が疑われる場合は、飼い主も手袋を着用し、排泄物や食事の取り扱いに気を配る必要があります。

 

原因は、レプトスピラというラセン菌の一種で、ネズミの尿や土との接触によって感染します。

皮膚の傷や粘膜から体内に侵入します。また、感染した犬に咬まれたり、汚染された食べ物や水を摂取することでも感染します。

発症は暖かい地域に多い傾向がありますが、全国で毎年犬への感染が報告されています。

 

症状は、発熱や食欲不振、呼吸が速いなどがあります。血液の赤血球が壊されて溶血性貧血の症状が出ることがあります。

最終的には多臓器不全となり、重篤な場合には死亡する事があるます。

 

治療には抗生剤が有効です。点滴療法や消炎剤、強肝剤などの投与が必要な場合もあります。

 

予防法としては、原因であるレプトスピラ菌に接触させないようにすることが重要です。

ワクチン接種が有効ですので、感染の心配がある地域への旅行や帰省の際は予防を心がけましょう。

 

(石)

2024.05.01